歳時記・行事・冬
- 新潟 松之山 むこ投げすみ塗り
- 十日町市松之山温泉では、胴上げされた婿を雪の中へと放り投げる奇習があります。一説には略奪婚の名残であり、村娘を他の村のものに取られた腹いせから始まったと言います。また、その後には薬師堂で塞の神を燃やした灰を、おめでとう、と言いながら皆でお互いの顔へ塗り無病息災を祈る、すみ塗りを行います。黒くなった顔を見つめ合い笑顔が広がります。
- 東京 浅草 酉の市
- 威勢の良い掛け声と手拍子が鳴り響く酉の市は各地の鷲神社や大鳥神社で江戸時代から続く行事です。鎌倉時代、日蓮大聖人が国家の平穏無事を祈ったところ、11月の酉の日に鷲妙見大菩薩が現れたことに由来します。神社に並ぶ縁起熊手は運をかっ込む、福をはき込むと言う洒落で開運招福、商売繁盛を祈った、江戸っ子らしい縁起物です。
- 埼玉 秩父夜祭
- 秩父夜祭は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている秩父神社の例祭であり、毎年冬に行われ、冬の花火大会で全国的に知られている。300年以上の歴史がある日本屈指の豪華な祭りであり、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。京都の祇園祭、飛騨の高山祭と並んで日本三大美祭及び日本三大曳山祭の一つに数えられています。
- 熊本 山鹿灯籠浪漫 百華百彩
- 明治、大正の時代に和傘の一大生産地として知られた山鹿温泉郷。そんな時代を思わせる色とりどりの和傘や竹を使った優しい光が冬の温泉街を照らします。街のあちこちに飾られた光のオブジェは夕暮れの訪れとともに、人の手で1つまた1つと火が灯され、気がつけば街中が暖かい光とたくさんの笑顔で包まれていきます。その様はまさに百華百彩です。
- 山形 まんだらの里 雪の芸術祭
- 「まんだらの里」は、東村山郡山辺町の山道を抜けた先にあります。雪の芸術祭では、ライトアップされた雪のオブジェや、花火の打ち上げ、ステージでの様々なイベントなどが楽しめます。そして、お祭のハイライトは、夜空を彩るスカイランタンの打ち上げ。冬の夜空に舞うランタンの幻想的な風景に、ただただ魅了されてしまいます。
- 徳島 わんわん凧
- 江戸時代、阿波名物鳴門大凧には地域ごとにたくさんの種類があり、その中で撫養町のわんわん凧は横綱と言われました。かわいらしい名前は、蓮花寺本堂再建のお祝いに、棟梁の又右衛門は大凧をあげ、丹塗りの椀(わん)に鏡餅を盛って人々に振る舞ったことが由来と言われています。今では元旦を祝う行事として親しまれています。
- 徳島 門松作り
- 門松はお正月に年神様を迎える目印であり、またその依り代として家の前に置かれます。平安時代頃よりあったとされ、初めは松のみを飾るものでした。松は葉が落ちないので縁起が良く、神の宿る木と言われます。また繁栄を意味する竹を斜めに切ったのは徳川家康と言われ、負けた戦の悔しさを忘れないためでした。
- 長崎ランタンフェスティバル
- 鎖国下の江戸時代に、オランダと同様に貿易を許されていた中国人の居留地であった長崎は三大中華街の1つ「長崎新地中華街」として有名になりました。
もともとは中華街の人々が旧正月を祝う行事であったものが冬の風物詩となり、今では色彩豊かな中国提灯(ランタン)を始め大小様々なオブジェが、訪れる人々を魅了します。
- 鹿児島 片浦お伊勢講祭り
- お伊勢参りが人気の昔、人々は長旅のための貯蓄を出し合い、順番に旅に出ました。その仲間をお伊勢講と言います。
その中で伊勢神の代わりを、持ち回りでお祭りしたのが行事の基となりました。この日大人となった青年たちが女装と面で振り子に扮し、刀で人を叩き、厄を払う神幸行列ではオイヤナー(いますか)と元気な声が響きます。
- 秋田 角館火振りかまくら
- 1.5m程の縄ひもの先に火のついた炭俵を結わえ、参加者それぞれが身体のまわりで振り回します。時間がたつごとに数は増えていき、100近い火の輪が暗闇に舞うこともあります。
400年以上続く小正月の伝統行事は、神聖な火で田の厄を払うと共に無病息災、家内安全等を祈ったものです。会場内にはミニかまくらや光の回廊に灯がともります。
- 秋田 なまはげ柴灯まつり
- みちのく五大雪まつりの1つ。秋田を代表するなまはげが、柴灯火のもとで乱舞します。ナマハゲは田畑の実りや海、山の幸をもたらす年の節目にやってきて「悪い子はいねがー、泣く子はいねがー」と威嚇しながら人々の怠け心を戒め、無病息災をもたらす来訪神です。2018年にユネスコ無形文化遺産にも登録されました。
- 青森 八戸えんぶり
- 「えんぶり」とは田をならす農具の「えぶり」や「いぶり」に由来します。人々は烏帽子をかぶり稲作を模した舞を踊ることで、冬の間寝ていた田の神をゆさぶり起こします。
舞には春を待つ人々の五穀豊穣の祈りが込められています。市内まで練り歩く『えんぶり行列』や殿様の御前で舞ったと言われる『御前えんぶり』などがあります。